浅田真央選手の「伝説のフリー」を生んだ2014年のロシアで行われたソチ五輪。前日のショートプログラムから一転、浅田選手が思い描くスケート姿を披露してくれたのがソチ五輪でのフリースケーティングです。その演技は世界中を魅了しました。
浅田真央選手が集大成として臨んだソチ五輪ですが、フリーの演技には実はご縁や愛がつまっていました。
ソチ五輪のフリーで使用した曲名は、浅田選手が尊敬する“あの代名詞”が付く人が歴史的快挙を成し遂げた時に使ったものでした。また、フリーで着た浅田選手の衣装も、ロシアにご縁のあるものがデザインとなっていたのです。それにはとても愛が込められていたとか。
世界中を魅了したからこそ、浅田選手のフリーの順位にはあの人からの批判の声があった!?そもそもフリーの順位って何位だったのでしょうか。
世界中に感動を生んだ浅田真央選手の伝説のソチ五輪フリー。2020年1月7日に五輪の公式チャンネル「Olympic Channel」が浅田選手の演技動画を投稿しました!
もう一度あの感動を!それではさっそく見ていきましょう!
伝説のフリー動画はこちら!
浅田真央選手の最後のオリンピックとなった2014年のソチ五輪の伝説のフリー。
2020年1月7日に五輪の公式チャンネル「Olympic Channel」が浅田選手の演技動画を投稿し、国内問わず海外ファンからも歓喜の声が挙がっているとのことです。
まさかのショートプログラム16位から一点。ノーミスで難易度高い技を披露した浅田選手の演技は、会場を歓喜の渦に。
何度見ても美しく、涙が出るほどに感動してしまいます。
真央ちゃん、生きてる限りの感動をありがとう!
伝説のフリーの曲名にはご縁があった
浅田真央選手がソチ五輪フリースケーティングの演技で使用した曲名は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番です。力強さ、華麗さが合わさった曲です。
ダイナミックな動きから、細かいステップ、そして美しく滑らかなスケーティング。それら以外にも多くの要素がぎゅっと詰まっています。実は、このラフマニノフのピアノ協奏曲第2番には偶然なのか必然なのか、浅田選手にとってご縁のある曲名でした。
浅田選手の代名詞といえば「トリプルアクセル」ですが、「トリプルアクセル」をオリンピックで成功させた第一人者がいます。その初の成功を収めたのが1992年のアルベールビル五輪です。

引用元:https://www.asahi.com/articles/photo/【3Aを五輪で初めて成功させる伊藤みどり選手】
このアルベールビル五輪フリーの演技で伊藤みどり選手がオリンピック女子史上初の「トリプルアクセル」を見事に成功させました。そして、この成功した時に使われた曲名が、実は浅田選手がソチ五輪のフリーで使用してた曲名と同じでした。
伊藤みどり選手とのご縁
伊藤みどり選手がアルベールビル五輪フリーの演技で使用していた曲名は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番第2番を合わせたものです。そして、浅田真央選手がソチ五輪フリーの演技で使用したのもラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ですので、このラフマニノフのピアノ協奏曲こそ、偶然なのか必然なのかは分かりませんがきっとご縁のある曲名だったのではないでしょうか。
伊藤みどりがアルベールビル五輪で3Aを跳んでから22年。真央がソチで演じるフリー曲、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」は、伊藤が3Aを成功させたときと同じだ。最後の五輪に、伊藤みどりが不屈の精神で3Aに挑んだラフマニノフの代表曲を選んだのは単なる偶然ではないだろう。
まさに、「トリプルアクセル」をオリンピックという大舞台で成功させるという浅田選手の思いが伝わってくるように感じます。オリンピック女子史上初の「トリプルアクセル」の成功を収めた縁起のある曲名として浅田選手にとって特別なものだったのかもしれませんね。
愛のつまった衣装のエピソード
浅田真央選手の衣装と言えば、とても華やかできらびやかな印象を受けます。そして、女性らしくもありながら、どこか力強さのあるダイナミックさも感じます。

引用元:https://www.sankei.com/west/photos/【浅田真央選手ソチ五輪フリーでの衣装】
ソチ五輪で着た青を基調としたこの衣装は、あるものをイメージし、浅田選手の振り付けを担当したタラソワコーチがデザインしたと言います。そのあるものというのが「幸せの青い小鳩・グルボーチカ」です。このグルボーチカは、ロシアの鳥として有名だそうです。

引用元:http://www.zoopicture.ru/grivistyj-golub/【幸せの青い小鳩・グルボーチカ】
浅田選手を愛してやまない師匠であるタラソワコーチがデザインした愛のつまった衣装だったのですね。ソチ五輪開催国であるロシアの幸せの鳥ということで縁起の良い衣装だったことも分かります。
あの「伝説のフリー」が生まれた背景にはこんなに素敵な意味の込められていたのです。そして、幸せの青い小鳩の衣装を着た浅田選手の演技は一生忘れられない素晴らしもので、それは世界中に幸せをもたらしましたね。
ソチ五輪フリーの順位と得点に批判が!?

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/2014年ソチオリンピックのフィギュアスケート競技
浅田真央選手のソチ五輪フリー演技の順位は3位でした。そして得点が142.71点で、これは浅田真央選手の自己ベスト得点です。しかし、この得点に「なんでこんなに低い得点なの!?」と怒りをぶつける人も少なくなかったと言います。
それは、「伝説のフリー」と言われるほど浅田選手のソチ五輪フリーの演技は全世界の人々を魅了したにも関わらず、金メダルのアデリナ・ソトニコワ選手や、銀メダルのキム・ヨナ選手よりも低い点数だったからです。誰もが浅田選手がずば抜けた点数をもらえると期待したに違いありません。
ソチのフリー演技。誰が見たって一番得点高いと思うような演技でした。
がしかし、実際はソトニコワ、キム・ヨナより低い点数。
あれが世界一の演技って今でも言う選手は世界中に大勢いるのに
おかしな話ですね。そういうことわかってます?コメンテーターさん!#バイキング #浅田真央— おしえておしえて。。。。 (@oshiete_52) April 11, 2017
世界中が感動に包まれたからこそ、「なぜ」という気持ちが大きかったのかもしれませんね。このような浅田選手の得点の低さを批判する声は他にもたくさん挙がり、特に元フィギュアスケート男子代表の織田信成選手もこの採点には辛口コメントをしていたのが印象的です。
「言いたいのが、かなり厳しかったんですよ採点が。ショートの結果を受けての順番だったんで、どうしてもトップの選手とは離れて、先のスタートになってしまったんで、ほんとはもっといい点数だったんちゃうかなって思ったんですよ。採点する側も戸惑ったと思うんですよ。どうしよう、どういう点数付けようって。もっと点数をあげてよかったんじゃないかなって思うんですよね。正直回転不足みたいのも何個かとられてたんですよ。スローで見ても『絶対足りてるやん今の!』みたいな!『絶対足りてた今の!今の3-3の後ろ絶対足りてた!』ってもう声出して、『おかしい!これもっと評価点付けなあかんやろ』みたいな。試合の時ジャッジの方には言えないですけど、テレビ越しなんで言ってましたけど、ほんまに厳しかったと思います」
少しオリンピックの裏側が見えてくるコメントではないでしょうか。「採点がかなり厳しかった」この背景にあったのは、ショートの結果を受けて浅田選手の滑走順が早まっことです。浅田選手の演技は自己ベスト叩き出すほどの完璧さでした。浅田選手が早い段階で完璧な演技を見せてくれたものだから、審判もどのくらいの点数をつけて良いのか迷ったのでないかとコメントしています。
浅田選手の点数次第ではこれから滑る後半の選手の心理的負担も大きくなりますので、完璧な演技だったけど、浅田選手に一人かけ離れた点数をつけるのも難しさがあったのではないでしょうか。
「もっと点数をあげたい」織田選手のそんな気持ちから受け取れるのは、選手としての浅田選手の良さをたくさん知っているからでしょうし、何よりルールをしっかり理解しているからだと思います。一般的には見えないところまで見えてしまっていたのかもしれませんね。
素人目線では分かりにくい回転不足ととられてしまったジャンプがあったと言います。そのジャンプで点数がもらえてたら、もっと上を行けたのではないかと。ただ、オリンピックという大舞台でのジャッジはシビアだからこその点数だったと思いますが、織田選手が言うように「回転不足ではないよ!点数つけてよ!」という思いは、フィギュアを良く知る多くの人が抱いたのかもしれませんね。
滑走順が得点を左右した!?
浅田選手はショートの16位という結果を受けてフリーでの滑走順が早くなりました。フィギュアスケートフリーの滑走順にはルールがあり、ショートの順位で分けた6名ずつの4グループができます。
フィギュアスケートFS滑走順 | ||
SP順位 | FS滑走順 | |
第1グループ | 19位〜24位 | 1番目 |
第2グループ | 13位〜18位 | 2番目 |
第3グループ | 7〜12位 | 3番目 |
第4グループ | 1〜6位 | 4番目 |
SP=ショートプログラム、FS=フリースケーティング |
ソチ五輪フリーの浅田選手は第2グループで滑走したことが分かります。12番目の滑走ということは、第2グループの最終滑走だったのですね。
織田信成選手も言うように、ショートで得点を出した選手がまだフリーの演技をしないうちに浅田選手の素晴らしい演技にどれくらいの点数をつけるか悩んでしまったのかもしれません。採点する側の葛藤も大きかったのではないでしょうか!?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
・ロシアにご縁のある「幸せの青い小鳩・グルボーチカ」の衣装を着た浅田選手によって「伝説のフリー」が生まれた。
・世界中が涙したフリーの順位と得点には批判の声が!滑走順が早かったことで採点する側も悩んでいたのかもしれない。
浅田真央選手の周りには、たくさんの愛とご縁があるんだなということが分かりました。演技が美しい裏側には、浅田選手が丁寧に一つ一つこだわりをもって接している姿があるんだろうなと思います。
そして、多くの人から愛されるが故、ソチ五輪で見せたフリーの演技動画。オリンピック公式サイトが投稿し、あの感動をもう一度見れます。
そこには多くの人が共感し、熱い想いに変わったのでしょう。順位だけが全てではない、ということを浅田選手から学ぶことができたオリンピックでもありました。
浅田選手の感動を巻き起こしたソチ五輪フリーの演技に大きな拍手を贈りたいです!
真央ちゃん、ありがとう!
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